癌体験者が伝える「手放す生き方」

「手放す」のマインドセット・生き方について

「手放す」それは人生において大事な事。
要らないものを手放すのは簡単です。
重要なのは必要だと思っている事・物を手放す事です。
私自身が癌になって、手放した経験を伝えたいと思います。

手放した方がいいもの

①成功体験
②不安・恐れ
③1年に1回も使わないもの

 

<目次>

・私の実体験
・手放す生き方とは
・「手放す」と「諦める」の違い
・癌になった方へのメッセージ

 

<私の実体験>

私は癌になって生活において多くのものを手放しました。
「左目の視力」
「嗅覚」
「左耳の聴力」
「顔の見た目」
「仕事」
「長い寿命」     細かい事を言ったらまだまだあります。
重粒子線治療という癌の治療で左目の視力がありません
左から話しかけられても気がつきにくいですし、左の方からくるものに対して気配を感じません。
左耳も水が詰まったような感じのする時が多くて聞こえにくいです。
左の顔の目の下から口の上にかけて大きな陥没があり、見た目がかなり悪くなりました。
写真写りが悪くなり、サングラスなしでは写真に写れません
癌と重粒子線治療が原因で嗅覚がなくなりました
よって、匂いを感じません。ご飯を食べても味がしません
人間は味気を嗅覚で感じています。
甘み・苦味・辛味・塩味・旨味・酸味といった感覚は舌で感じますが、何を食べているかはわかりません。
花をつまんでご飯を食べてみてください。同じ体験ができると思います。
仕事は飲食関係のお店で働いていましたが、上記の状態なので役に立てません
4回目のがんの時には、「寿命半年」と言われました
運良く重粒子線が効いていますが、次になったら長くは持たないと思われます。
そんな中で、必然的に身に付けたマインドセットが「手放す」です。
この生き方でとても楽になりました。
今の仕事にも良い影響がでています。

<手放す生き方とは>

簡単に言えば、「捨てる」という事です。
持っているものを捨てる。
しかし、名残惜しんで捨てる訳ではありません。
今まで一緒にいてくれた事、物に感謝して捨てるのです。
自分の意思で捨てたという事にするのです。
私は病気でいたし方なく、多くのものを失いました。
でも今は自分の意思で「手放した」と思っています。
なくなった事に対して不満・愚痴・屈託はありません
これから先生きていくために必要な事だったんだと思って未来を見る事にしました。
その「未来を見る生き方をする事」それこそが「自分で選んだ道」と思うようになりました。
あったら今より豊に幸せに生きられるのは確実です。
でも叶わない夢や過去をみていても仕方ありません。
今の時間、瞬間をどう生きるか。
明日をどう楽しむかを考えた方が幸せになれます。

<手放すと諦めるの違い>

私なりの定義では
手放す=持っている「もの」や「事」を捨てる事
諦める=まだ手に入っていない「もの」や「事」を要らないと思う事
要するに持っているか、持っていないかの違いです。
しかし、それは大きな違いです。
人間は手に入ったものを捨てる事に対して抵抗をもちます
要らないものはすぐに捨てる事ができますが、自分にとって必要だと思い込んでいるものは捨てられません。
逆にまだ手に入っていないものについては遠ざける事ができます。
それが諦めるという事です。
諦める事自体が悪い事だとは思いません。
「諦めたらそこで試合終了」漫画スラムダンクの名言です。
この言葉で救われた人は多いでしょう。
しかし、時には他の道を探したり、違う可能性を見つけるために諦める事も大事です。
手放すという事は自分が諦めなかった事によって得たものすらも捨てるという事になります。
そこには未来を見る「意思」が必要です。
「何かを得るには何かを手放す」必要があります。
これはどんな人間でも同じだと思います。

<手放すべき物>

①成功体験
人間は成功体験によって自信を得ます。
自信は生きていく上で非常に役にたちます。
仕事もスムーズに晋進むはずです。
しかし、今まで経験していない未知の領域にいく事や、新しい自分に変化するためには
成功体験に囚われていると、未来が見えません。
過去の成功に浸ったり、囚われていませんか?
②不安・恐れ
不安や恐れは何も生み出しません。
「危ない」と「怖い」を分ましょう。
・危ないもの、危険な事には対策をする。
・怖いもの、不安な事は紙に書きだして、どう対応するかを決めて起きましょう。
危ないと怖いは違います。
危ない=物理的や統計的に生命や生活に危険があるという事です。怖い =妄想・幻想・自分が作り出したイメージです。
余計な不安を持っていても前には進めません。
すぐに手放しましょう。
③1年に1回も使わないもの
いわゆる「断・捨・離」です。
記念品かもしれません。
思い出の品かもしれません。
よほど貴重なものであれば保持する数を決めましょう。
いつか使うだろうの「いつか」は訪れません。
1年に1回も使わなかったという事は、これから先の1年も使わない事の証明です。
物が少なくなると、心もすっきりします。
感謝の思いをもって、「ありがとう」と言って捨てましょう

<癌や病気になったかたへのメッセージ>

癌は日本人の2人に1人がなるものです。
今までの人生を考え直す機械でもあると思います。
手放すには時間がかかる場合もあると思います。
それならそれでいいと思います。
でも、あまり時間をかけるともったいないです。
時間は有限です。
自分に必要な考え方、生き方を残して前をみて生きていってください。
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