アフターコロナ時の飲食店からの異業種への転職について

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アフターコロナ時の飲食店からの異業種転職について

新型コロナウィルス感染症の影響は2020年以降も続くと思います。
ワクチンの普及までには相当な時間がかかると思われます。
マスクや10万円の給付金、それ以外の給付金の支給についても対応が遅い状況です。
ワクチンを全国民へとなればこれ以上に時間がかかるはずです。
そんな中で飲食店への影響は非常に大きなものとなるでしょう。
私自身、飲食業界の会社に勤務する中でその状況を身をもって体験しています。
特に、レストラン居酒屋系の大人数での会食等での集客をしている業態は厳しい戦いが待っています。
特に、年末の忘年会の需要も激減するでしょう。
居酒屋業界はこの12月に1年の利益の半分近くを稼ぐとも言われています。
そのぐらい、忘年会における集客力と収益力は高いと言えます。
その忘年会での利益確保が見込めなくなり、平月での売り上げも厳しいものとなるはずです。
恐らく前年比70%程度の状況が続くというか、当たり前のようになると予測します。
そのような中で、飲食店業界での仕事をしていくのはどうなのかについてお伝えしたいと思います。
転職を考えている人はよく考えてほしいと思います。

<目次>

転職はすべきか
転職しやすい業種は
生き残れる飲食店は

転職はすべきか

答えはYESです。
ただし、条件付きです。
経営者が生き残りに向けて業態転換や利益構造を変えようと努力しているのであれば、待ったほうがいいです。
なぜなら、残存者利益をとって生き残れるからです。
生き残れば、コロナウィルスが完全に問題ない状況になったあとに強い立ち位置で闘う事ができます。
そうなれば自身のキャリアや、将来の道も開けてくると思います。
逆に、経営者がお店の改革、変革をあまり強く進めようとしていないのであれば転職したほうがいいと思います。
そのお店、その会社は間違いなく潰れます。
今のこの社会で、この状況で待っているだけでは生き残れません。
変わらない、変われない者から消えて行く事になります。
共倒れする必要はありません。
給与がもらえるうちに退職しましょう。
転職しようか、しまいかどちらにしようか悩んでいる人には転職できる準備を進める事をおすすめします。
いつでも転職出来るように、勉強したり、資格をとったり他業界の事を知る事に時間を使いましょう。
コロナの時代の飲食店を切り抜けたという事であれば、それは大きな経験値になります。
今の仕事を頑張りつつ、次を考えるのです。
これはごく当たり前の事です。
会社の経営者であれば当然のように行っている考え方です。
ビジネスが順調なうちに、次の手を考える、次の種をまくのは経営として当然の事です。
同じように、個人である従業員も今の仕事をしつつ、自分のキャリアを考えるのです。

転職しやすい業種は

正直言って、異業種で転職しやすい道はあまりないと思います。
これはその人の経歴や今の役職にもよります。
エリアマネージャーのような何店舗かを統括しているような管理職であれば、他の業種でも採用されやすいでしょう。
店長や一般職の社員ではなかなか厳しい転職になります。
転職しやすいとしたら、食品関連の会社や食品向上、物流会社などなど思います。
工場での勤務は飲食店の仕事、特にキッチンでの業務が生かしやすいと思います。
物流会社においても、在庫管理や数値管理、人材管理や教育において飲食店での業務が生かせると言えます。
年齢が20代であればある程度は転職しやすいでしょう。
ただし、給与は同じ位か、下がると思います。
特に店長レベルの方が異業種への転職の場合、下がる可能性は高いです。
これが、IT系の業界に転職できるのであれば話は違ってきます。
WEB系やプログラミング系のIT業界は業界自体が伸びているので給料も高めになっています。
成長している会社、成長している業界に転職する事が自身のキャリアアップと給与アップに繋がる事は間違いありません。
飲食店しか仕事をした事がない人でも、他業種で通用する人材になる事は十分可能です。
今から、今日から仕事の仕方を見直していきましょう。

生き残れる飲食店は

これからの時代で生き残れるの要素は以下の3つです。
・テイクアウト
・デリバリー
・生産性向上

テイクアウト

これはもはや当たり前の事かもしれません。
重要な事はテイクアウトの比率を上げても利益がでるようにする事です。
テイクアウトはコストがかかります。
容器やパック、箸やスプーンに袋も必要です。
原価としては、20円近く上がってしまう場合もあります。
店内であれば発生しなかったコストがかかってしまうのです。
その分のコストを回収できるような商品設計にしなければなりません。
テイクアウトが多くなれば、店内で売れるはずだったドリンク代などの売り上げがたたなくなります。
ドリンクやお酒は飲食店の利益率が高く、重要な商品になっています。
テイクアウトの比率が高くなればその分、利益率が低くなります。
それでも利益が出せるような業態構造を作らなければなりません。

デリバリー

デリバリーはこれから益々増えていくと思います。
アメリカや中国、韓国のような都市ではデリバリーはごく当たり前の文化です。
日本が遅れていると言っても過言ではありません。
これからは、出前を専門としたお店が増えていくかもしれません。
名店の味を家で食べる事が出来るのは、お客様にとっても、お店にとってもメリットがあります。
お客様はわざわざお店に行かなくてもよくなり時間を節約できる。
お店は席数に縛られる事なく、売り上げを上げられる。
今や、UBERなどの普及でデリバリーは浸透してきました。
固定観念やこだわりを捨てて対応できるお店が生き残ります。

生産性向上

一番重要な事がこの、生産性の向上だと思います。
人件費を可能な限り減らすように努力し、必要なところに原価をかけなければなりません。
特に、飲食店は人手不足が深刻化していて従業員が足りていません。
これからはシステムの導入などにおける注文受注の省人化を行ったり、メニュー数や食材アイテム数の見直しをして生産性を上げる必要があります。
より少ない人数で、ある程度の満足が出来るようなお店作りをする事が求められます。
お客様側も、今までのようにサービスを求めすぎない文化が構築されると思います。
日本は過剰なサービスを求めがちです。
海外に行けばそのサービスの基準の高さに気がつくと思います。
これからは、商品やサービスに見合った値段になっていくと思うし、それを受け入れる必要があります。
高級なサービス、高いサービスを求めるのであればそれなりのお金を支払うべきだと皆が認識すべきです。
特に飲食店はそうです。
コロナウィルスを機に、お店もお客様も「生産性を高める文化作り」を受け入れていけるようになって欲しいと思います。

最後に

コロナウィルスが収まっても今までのような飲食店の状況に戻るには相当の時間がかかるでしょう。
もしかしたら戻らないかもしれません。
人間はよくも悪くも環境に適応する生き物です。
一度なれた環境からまた変わる事を嫌がります。
忘年会や飲み会の重要性は薄れてしまうかもしれません。
外食産業自体は必要だと思います。
決して不要な存在ではありません。
しかし、そのあり方や価値は変わってくると思います。
飲食店で働く事は夢があり、ロマンもあります。
大切な事は会社や組織に働かされるのではなく、自分がどのような人生を歩みたいのかです。
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