<目次>
上顎洞がん 体験
ブログの目的
私が30歳で「上顎洞がん」になった際の経験を元に
①体験談
②がんの予防法・健康法・メンタル
③生き方・働き方
②がんの予防法・健康法・メンタル
③生き方・働き方
について記録を残していきたいと思い、ブログを始める事にしました。
【経緯の時系列】
<2014年>
3月:上顎洞がんの発覚
4月:入院~手術~摘出
5月:退院
<2016年>
2月:再発
3月:入院~手術~摘出
4月:退院
<2017年>
9月:再再発
10月:入院~重粒子線治療
11月:退院
<2018年>
5月:再再再発
6月:重粒子線治療(通院)
<2020年>
3月:がんは進行していない
~上顎洞がん発見から手術まで~
2014年の夏ごろ、歯が痛いなと感じる日が続いていました。
虫歯かな、、、と思いつつ歯医者に行くことにしました。
先生曰く、「顎・歯の噛み合わせが悪いと思うからそのせいで痛みが出ている」との事。
マウスピースでの治療が始まりましたが、3ヶ月経っても痛みは治りません。
おかしいと思い、再度歯医者に行った際にレントゲン写真を撮る事になりました。
そこで言われたのは、、、「歯茎の上に影がある」との事でした。
ここでは詳しい検査は出来ないから、他の病院を紹介すると言われ、紹介された病院にいきました。
後日、予約をしてCT検査を受ける事になりました。
そこで、「歯の上の顎の部分あたりに、大きな腫瘍がある」と言われました。
そして、もっと大きな病院を紹介してくれるという事で、がん専門の病院を紹介して頂きました。
私自身、この病院を紹介されたときに初めて「癌なのかも・・・」と認識しました。
後日その病院で病理検査を受けることになり、結果「がん」である事の説明を受けました。
しかも、世界でも珍しい種類の病気と言われました。
※同じがんでも様々な種類があるようです
腫瘍の一部を摘出して病理検査してから、2週間ぐらい経っていました。
※病名を断定するまでに、不明点が多く色々な病院(海外まで)で検査してもらったらしいです。
そして言われたのが「上顎洞がん」との事、珍しいのは「歯原生」という事であり、文字どおり
歯の成分が異常をきたして”がん化”したらしいです。
問題は治るかどうかでした。私自身は治ればいいやくらいの気持ちでいました。
そこで先生からの説明で言われたのは、「抗がん剤」「放射線」の治療は効かないという実証があるとの事。
治療するには、「摘出手術」しかありませんでした。
しかも、急ぐ必要がるとの事。
なにせ「直径5cm以上」のがんです。
入院~手術の日程を最優先で決めました。
がんになって 休職~入院~退院
【休職】
会社に自身の状況を報告し、最短での休職が決定しました。
私自身は飲食業の現場で管理職として勤務していました。
代わりの方に店舗の引き継ぎを実施しました。
【入院】
入院当日は検査と手術前の準備です。
問題なく手術が受けられるかの最終チェックをします。
翌日、朝から手術が始まりました。
合計10時間以上になる大手術でした。
【手術】
【手術内容】
①顔の口から目の下部分を切開し、歯から歯茎を含めて骨からまるごと腫瘍を摘出
②摘出して欠損した部分に自分の腹筋を切除して移植
腹筋を移植しないと顔面の陥没がひどくなり見た目が非常に悪くなるからです。
生きている細胞でないと欠損部に接合した際に適応しないからです。
私の場合は左の上顎洞がんを摘出したので、左の腹筋の半分を移植しました。
私自身は全身麻酔のおかげで寝ているだけです。終わって看護師さんからの
呼びかけで起きたときには、自分の体じゃないと思うぐらいにつらかったです。
顔は腫れてパンパンになり、発熱もしている状態でICU(集中治療室)で1週間位過ごしました。
顔の手術をしたため、気管切開をして気道(呼吸)を確保したので声が出せません。
1ヶ月間は水も食事もできません。点滴と鼻からチューブで胃に栄養を入れていました。
おかげで体重は5キロぐらい落ちました。
筋肉も落ちてガリガリ状態で鏡をみるのが嫌になりました。。。
1ヶ月後にようやく声を出せるようになりましたが、口の中の上の部分が半分ないので
滑舌が悪くうまくしゃべれません。
「シーネ」と呼ばれるフタみたいなものをしてしゃべるのですが、慣れるまではしゃべりづらかったです。
【退院】
病院生活では、「生きること」「食べること」「感謝する心」等々人生における価値観が変わったり、磨かれる経験となりました。
顔に大きな傷も残り、滑舌も悪くなり、失ったものは大きかったです。
しかし、これからの人生を見直すよいきっかけとなった事も事実です。
がんは敵じゃない、自分の体をいたわってこなかった事における跳ね返りが招いた「自分自身」そのものだと思うようになりました。
入院して約2か月後に退院が決まりました。
30歳という事で若かった事もあり順調に回復しました。
比較的に早く退院できたと思います。
看護師さん、先生の方々のお力で無事に退院する事ができました。
病院の方々のチームで仕事をする姿に改めてすごいと思いました。
心から感謝しています。
【現在】
癌自体は体内にあるものの進行はしておらず命には影響はない状況です。
『がんとブログ』の”がんと”にはがんと共に生きるという意味を込めました。
がんになって失ったものも多いけど、得たものも少なからずあります。
このブログでそのような事を発信するとともに、少しでもがんになった方の励みになれればと思います。
特に、「上顎洞がん」はなかなか聞かないがんのであり、情報が少ないと感じたため同じ病気になった方へのメッセージになればとも思います。